新谷仁美と横田真人コーチのエピソードは?引退〜復活、五輪内定を叶えた二人の絆がすごい!

東京オリンピックの女子陸上競技で日本代表に選ばれた長距離ランナー、新谷仁美さん

新谷さんのコーチを務める横田正人さんとの深い絆にいま、注目が集まっています。

そこで今回は、プロランナーとコーチとしての二人の絆の強さを感じさせるエピソードについて紹介していきます!

新谷仁美の復活は横田コーチがきっかけ?

2021年に自己紹介する新谷仁美さん

高校生時代から「天才ランナー」として好成績を残してきた新谷さん。

東京オリンピックの出場競技でもある陸上女子10000メートルだけでなく、ハーフマラソンでも日本記録を持っています。

2021年の現時点では33歳の新谷さんですが、実は25歳の頃に一度、陸上競技の世界から引退をしていました。

引退の理由や復活のきっかけは、いったい何だったのでしょうか?

引退の理由

新谷さんが陸上界から姿を消した理由については、当時ご自身で次のようにコメントしています。

一番の理由は、右かかとの足底筋膜炎が完治しなかったことです。

医師からは「手術をしても、治るかどうかは五分五分。完治したとしても、リハビリを含めると1年間は走ることができない」と言われました。

当時も今も、陸上競技は私にとって“仕事”なので、1年間も商品価値がなくなるということは、モチベーションにも影響します。
やはり走って結果を出してこそプロのアスリートだと思うので、どんな理由があっても休みたくなかったんです。

【引用】YAHOO!JAPAN 東京オリンピック・パラリンピックガイド 2020/05/11 より

この時の新谷さんは、2013年のモスクワ大会で自己ベストを更新したばかり。

順調な選手生活を送っているようにも思えましたが、右かかとの怪我に悩まされていた様子。

また、その他の理由として、

さらに、当時の私は25歳だったので、そろそろ次の道に進んでもいいのかなという気持ちもありました。陸上以外の世界を知らなかったので、どのようなものか興味があったんです。

【引用】同上

とコメントしていました。

引退してから4年近い時間が経ち、再びランナーとして走り始めた新谷さん。

その復活のきっかけとなったのは横田さんとの出会いだったようです。

お二人はどのような経緯で、コーチと選手として出会ったのでしょうか。

復活のきっかけは横田さん?

引退した後は3年半ほど都内で事務職に就いていたという新谷さんですが、その間はトレーニングをせずに過ごしていたのだそう。

そのせいもあってか、現役選手だった頃に比べ体重は13kg増加。

その状態から「なぜまたランナーとして復帰したのか」と問われた際、新谷さんは次のように答えています。

──競技から離れた後も、いくつかのチームから声をかけられたと伺いました。そして17年夏にNIKE TOKYO TCと契約を結びます。どのような心境の変化があったんですか?  

(新谷)率直に言うと“おいしい話”だと思ったんです。オフィスで働いていた3年半は全くトレーニングをしていなかったんですが、過去の実績で契約を決めてもらえました。実は「やっぱり陸上の方がいいな」という思いは引退後、終始抱いていました。苦手なエクセルやパワーポイントと違って、陸上はやり方を知っています。オフィスでプレゼン資料を作るよりも、陸上で日本のトップレベルの力に戻す方が楽なんじゃないかと思ったんです。

【引用】YAHOO!JAPAN 東京オリンピック・パラリンピックガイド 2020/05/11 より

「アスリートは走るのが好きみたいに思われますが、私、全然そういうのじゃないんで。単純に復帰したきっかけは、OLで稼ぐより、走るほうが給料がよかったから。それだけです」

【引用】REAL SPORTS 2020/11/16  より

復帰の理由はいたってシンプルだったようですね。

新谷さんが本格的にランナーとして復帰したのは2018年6月のこと。

レース出場の1年前の2017年にはNIKE TOKYO TCとプロ契約を交わし、クラブチームに所属しました。

この時チームの代表を務めていたのが、現コーチである横田正人さんです。

約4年ほどのブランクを経て、プロランナーに復帰し順調に成績を伸ばしてきた新谷さん。

が、復帰間もなくの頃は自身の成績に満足できなかったと言います。

ですがその後、新谷さんが横田さんに信頼を寄せるようになってからは一転、快進撃を続けてきました。

一番大きな部分は横田真人コーチとタッグを組んだことだろう。横田コーチは男子800mの前日本記録保持者。新谷とは同学年でロンドン五輪に揃って出場している。

【引用】YAHOO!ニュース2020/12/05 より

復帰をした理由は、新谷さんの決意によるものだったとのこと。

ですが、実際に「天才ランナー」として新谷さんが復活できたのは、横田さんの力添えが大きいようですね。

横田真人コーチとは?

現役ランナー時代の横田さん

横田さんと新谷さんは年齢も近く、お互いにトップアスリートとして、それまでにも面識はあったそう。

新谷さんの好成績を支え“名コーチ”として話題になることが多い横田さん。

どのような指導方法なのか、また現役時代はどのような選手だったのかがが気になりますよね。

まずは横田さんのプロフィールから見ていきましょう。

横田コーチのプロフィール

現在はTWOLAPS TC代表と兼ねて、アスリートたちのコーチを務めている横田さん

初めに、横田さんの出身地や学歴などの基本的なプロフィールを紹介します。

名前・・・・・横田 正人(よこた まさと)
生年月日・・・1987年11月19日
出身地・・・・東京都
身長・・・・・178cm
体重・・・・・63kg
専門競技・・・中距離走
出身中学校・・立教池袋中学校
出身高校・・・立教池袋高等学校
出身大学・・・慶応義塾大学総合政策学部

陸上競技は中学生の頃から始めたとのこと。

ですが、部に所属し本格的に活動を始めたのは高校入学後だったようです。

大学卒業後は…

  • 2010年 富士通に入社、
  • 2013年 居住地をアメリカ・ロスアンゼルスに移す
  • 2015年 米国公認会計士に合格
  • 2016年 現役ランナーを引退
  • 2017年 富士通を退社NIKE TOKYO TCのヘッドコーチに就任
  • 2021年現時点はTWOLAPS TC代表、兼コーチ

現在もアメリカの大学院で「アスリートのキャリア形成」について研究を続けている横田さん。

ちなみに2012年の引退後、なぜ横田さんはアメリカに居住地を移したのでしょうか。

横田さんがアメリカに居住地を移した理由は…?

・メジャーリーグのエージェントになること

・エージェントになるため、英語を習得すること
・米国公認会計士の資格をとること

自身の引退後について、現役時代から綿密な計画を立てていたようですね。

こういった横田さんの生き方や考え方が、選手たちへのコーチングに反映されていると言っても良さそうです。

次に、ランナーとしての横田さんの経歴をみてみましょう。

選手時代の経歴は…?

  • 高校3年時

千葉インターハイ男子800mで優勝

岡山国体少年A800mでは大会新記録を出し優勝

  • 大学在学中 

【2006年】

関東インカレ800m 2位
日本インカレ800m 優勝

日本選手権800m 優勝

アジアジュニア800m 日本代表として優勝(中国・マカオ)

世界ジュニア800m 日本代表 準決勝2組4着(中国・北京)

 

【2007年】
関東インカレ800m 4位
日本選手権800m 優勝
世界陸上競技選手権大会800m 日本代表 1次予選7着(日本・大阪)

【2008年】
アジア室内選手権800m 3位(カタール)

【2009年】
日本選手権800m 優勝
第25回ユニバーシアードでは800m 決勝4位(ベオグラード)
日本体育大学最終フィールド競技会800m 優勝 日本記録を15年ぶりに更新

アジア選手権800m決勝 5位(中国・広州)

2010年、富士通に入社

【2010年】
第52回東日本実業団陸上競技選手権大会800m 優勝 大会新記録を樹立
日本選手権800m 優勝


【2012年】

大邱国際陸上でロンドンオリンピック参加標準を突
ロンドンオリンピック 予選5組4着
日本選手権 優勝 

※ ( )は開催地

日本選手権では4連覇を飾った横田さんですが、学生時代から数えると自身では6回目の優勝になります。

また2012年には、男子陸上800mにおいて日本人として44年ぶりのオリンピック代表選手に選ばれました。

数々の記録を打ち立て、トップアスリートとしても有名な横田さん。

ですが、陸上コーチとしての指導方法もまた話題になっています。

引退後のキャリアにまで踏み込んだ指導

アスリートならではの悩みでもある、引退後の不安。

横田さん自身も、引退後のことを考えキャリア設計をしていたのだそうです

彼の指導法には、こういった背景が活かされているようです。

もう一つは、選手が引退した後のキャリアまで考えて指導するということ。だから、僕はプライベートまで入っていきます。言い方は変ですけど深いところまで。例えば、「新谷が引退した後に、どうやって稼いでいかなきゃいけないんだろうね」という話をしていくと、おのずと競技プラスアルファの部分になってくるわけです。

【引用】BBMSports 2020/05/08 より

筋力アップなどのトレーニング方法だけでなく、「一人一人の選手の人生」そのものにも重点を置いて指導している、と言う横田さん。

2020年1月TWOLAPS TCを立ち上げる。 自身がコーチングを受けずに競技を行ってきた経験を活かし、選手一人一人に合わせた”オーダーメイドのコーチング”がモットー選手とのコミュニケーションを何より一番大切にしている。 米国公認会計士の資格を持ち、スポーツに関連した様々なビジネスを手がけるなど、経営者としても活躍。

【引用】TWOLAPS TRACK CLUB公式ページより

横田さんも、選手時代は一人で戦ってきたという経験の持ち主でもあったようです。

新谷さんと横田さんには、同じような経験をしてきたからこそ分かり合える部分があったのかもしれません。

新谷さんは、今では金銭の管理も横田さんに任せているといいます。

それだけ横田さんへの信頼が厚いということでしょうね。

新谷仁美と横田コーチのエピソード

新谷仁美さんと横田正人コーチ

今では練習メニューを一任するなど、横田さんに全幅の信頼を寄せている新谷さん

二人の絆が深まるにつれ、新谷さんの成績もどんどん上がっていきました。

しかし、当初の新谷さんと横田さんの関係はあまり良くはなかったようです。

今のように、新谷さんが横田さんを信頼できるようになったきっかけは何だったのでしょうか。

はじめは心を開いていなかった?

横田さんから指導を受けるようになった当初、新谷さんはなかなか「心を開くことができなかった」と言います。

その理由は?と言いますと…。

  • 同学年であったこと
  • 横田さんに「チャラい」というイメージを持っていたこと

この二つが大きかったようです。

実際に、お二人の年齢が近いこともあり2012年のロンドンオリンピックへは揃って出場しています。

下の画像は、横田さんが代表を務めるTWOLAPSのホームページです。

ホームページ内での新谷さんの紹介ページに「それぞれのメンバーへの印象」という質問がありますが…。

横田コーチへの印象

【出典】TWOLAPS TRACK CLUBより

確かに、横田さんの印象に対して「チャラい」と記載されていますね!

さらに二人の関係性については、以前インタビューに対し次のように答えていました。

「2017年の夏にNikeと契約して、最初の半年くらいはずっと横田さんのこともシャットアウトしていました。私も、確定申告とかパソコンを使った手続きだけフォローしてもらえればいい。日本のトップを取るぐらいのやり方は自分でわかっているから、走るのにはノータッチで構わない、という状況でした。それで、向こうも嫌々ながらに声をかけ始めたタイミングが、2018年1月ぐらいだったと思います」

【引用】REAL SPORTS 2020/11/16 より

コメントにもある通り、新谷さんは半年あまりも指導を受けようとしなかったようです。

この後、2019年にドーハで開催された世界陸上競技選手権大会に出場。

大会後に二人がマクドナルドで開いた反省会を境にして、新谷さんと横田さんの絆が深まったと言います。

世界選手権のレース後、横田コーチは新谷と「マクドナルド」のハンバーガーを食べながら、胸の内にとどめていた思いを伝えた。「新谷が一人で世界で戦おうとしたら、今回のドーハのような世界の十何位が限界なんじゃないか。本当に入賞やメダルを目指すなら、今の練習のままじゃ無理だよね

【引用】時事ドットコムニュース より

新谷さんはそれまで、自分のカンだけで走り続けてきたのだそう。

そこには「誰のせいにもしたくない」という、プライドとプロ意識の高さが秘められていたようです。

ですが、たった一人で練習メニューを決めレースに挑むことに限界を感じてもいた様子。

復帰後も主にひとりで練習を続けてきたが、トレーニング量の急増と食事制限が原因でほどなく恥骨を疲労骨折する。

【引用】YAHOO!ニュース2020/12/05 より

マクドナルドでの反省会があって、初めて新谷さんは「横田さんに任せよう」という決意ができたのだそう。

横田さんとの関係が崩れちゃう可能性もあったから、不安はあった」と言うが、一歩踏み出す覚悟を決めた。「やってみようって思いました。横田さんにすがってみようって

【引用】時事ドットコムニュース より

そして絆が深まった後の新谷さんのレースは、“爆走”といわれるほどの目立った活躍ぶりで話題に。

2019年以後の新谷さんの成績は…?

【2019年】

  • 全国都道府県対抗女子駅伝で9区 区間賞を獲得
  • アラムコヒューストンハーフマラソン 日本新記録を樹立
  • 5000m(メルボルン、ニュージーランド) 双方とも2020年東京オリンピック5000mの参加標準記録を突破

【2020年】

  • 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会女子5000m 日本歴代2位
  • プリンセス駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝予選会) 区間新記録を樹立
  • クイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝) 区間新記録を樹立
  • 日本陸上競技選手権長距離種目(長居陸上競技場)10000m 日本新記録で優勝

個人の成績に留まらず、駅伝ではチーム優勝に多大な貢献もしています。

不安を乗り越え、コーチとしての横田さんを信じ切ることで新谷さんも成長することができたのかもしれません。

競技だけに限らず、時には自由な発言やユーモアあふれるコメントが話題になることも多い新谷さん。

新谷さんのツイッターには、度々、チームメイトやスタッフ、そして横田さんへの感謝のツイートが見られます。

なかには自分のことを“猛獣”に例え、このようなツイートも。

今では「信頼しているからこそ、けんかになることもある」という、お二人。

東京オリンピックでは、どのようなレースを見せてくれるのでしょうか。

新谷さんと横田さんの絆の深さが感じられるような、これまで以上の大きな活躍が期待されます。

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