細田守監督のアニメ映画「竜とそばかすの姫」で主人公・ベルの声を務めるかたわら、劇中歌も担当している中村 佳穂(なかむら かほ)さん。
声優を務めるのは初めてという中村さんですが、ミュージシャンとしての彼女は以前から音楽業界ではすでに注目の的。
今回はミュージシャン・中村佳穂さんの活動や経歴、おすすめの曲について詳しくお伝えしていきます!
すぐ読める目次
中村佳穂のwiki的経歴まとめ
まずは中村さんの基本的なプロフィールから見ていきましょう。
今までにミュージシャンとして、どのような活動をしてきた方なのでしょうか。
また、中村さんが注目を集めることになったきっかけについても調べてみました。
中村さんのプロフィール
中村さんのプロフィール紹介
・名前 中村 佳穂(なかむら かほ)
・生年月日 1992年5月26日
・出身地 京都府
・学歴 京都精華大学 卒業
・職業 シンガーソングライター、ミュージシャン
・楽器 ボーカル、ピアノ
・レーベル AINOU
中村さんは2021年7月の現時点では、出身地である京都府にお住まいだそう。
彼女が所属しているレーベルに「AINOU」とありますが、こちらはご自身の立ち上げたレーベルです。
次に「AINOU」というレーベルについて、その詳細を紹介します。
レーベル「AINOU」の意味は?
中村さんがレーベルを立ち上げたのは2018年のこと。
自身のレーベル「AINOU」をスペースシャワーミュージック内に立ち上げ、同タイトルのアルバムを11月7日に発売する。
【引用】中村佳穂Wikipediaより
レーベルの名前にもなっている「AINOU」にはどんな意味が込められているのかが気になってきますね。
インタビューに際して、中村さんは次のようにコメントしています。
「みんなから見えている私と自分が考える私の間には必ず差異があるはずなんです。〈そのことを私はわかっている〉ということを伝えたくて〈I Know/AINOU〉というタイトルにしました。私があなたのことを好きって知ってるでしょ? あなたも私のことを好きでしょ。私は知ってるの。アイノウ。じゃあ、話し合ってお互いの差異を見つけていきましょう——そういう関係を全国の方々と作っていきたいんです」。
【引用】MiKiKi 2018/11/07より
アルバム「AINOU」は繊細さと強さをキーワードに作曲と選曲。
2年半もの時間をかけて作られたのだそう。
「FUJI ROCK FESTIVAL」へ出演
2016年には「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演も果たし、一気に知名度が高まった中村さん。
音楽を本格的に始めたのは20歳の頃だそうですから、この当時の中村さんは24歳。
音楽活動をスタートさせ、4年目での出演ということになります。
――2016年に(ジプシー・アヴァロンから)出演オファーをもらったときは、どんなふうに思いました?
(中村さん)あまりにも突然のお話だったので、「えーっ!?」って感じでしたね。
【引用】富士祭電子瓦版 2019/06/12より
「富士ロックにはぜひ行ってみたかった」とコメントしている中村さんですが、当日は軽装で行ってしまい現地では寒い思いをしたとのこと。
こういった彼女の気取らなさ、気さくさも人気を高めている様子。
,上の動画は「FUJI ROCK FESTIVAL」での模様です。
こちらの動画のキャプションには、次のような紹介文が。
完全無名にも関わらず、演奏が人を呼び、人が人を呼び、 気づけば45分ステージで驚異の100枚CDを売り上げた
中村さんご本人も、ステージを終えて「とても楽しかった」とコメント。
2019年の「FUJI ROCK FESTIVAL」へは、この後3年ぶりで2回目の出演も果たしています。
「関ジャム」で有名プロデューサーが推薦!
「関ジャム完全燃SHOW」で取り上げられたことも、中村さんがブレークしたきっかけの一つ。
番組内のワンコーナー「売れっ子プロデューサーが選ぶ2018・年間ベスト10!!」で有名音楽プロデューサーが中村さんの曲を推薦。
3人のプロデューサーのうち、お2人が上位に中村さんの名前と楽曲を挙げています。
米津玄師やback numberなどのプロデュースで知られる蔦谷好位置が、中村佳穂の『きっとね!』を2位に、米津玄師やLUCKY TAPES、Awesome City Clubなどのプロデュースで知られるmabanuaが、中村佳穂の『You may they』を1位に選出しました。彼らは中村佳穂の圧倒的な技術を絶賛。
【引用】meetia2019/02/12より https://meetia.net/music/nakamurakaho-matome_hd/
この放送終了後、すぐにSNSでも話題になりました。

【出典】https://t.co/T9F63o6PlW” / Twitter
また中村さんご自身もツイートに次のように投稿しています。
【関ジャム 完全燃SHOW🔥】
蔦屋好位置さんに「きっとね!」mabanuaさんに「You may they」をAINOUから選んで貰いました!!ありがとうございます!
ニコニコ打ち上げをしている時に嬉しいことが起こった。気になってくれた皆様どこかで会えますように。いい日に生きてあの感じになろうね! pic.twitter.com/Bm0jzxjkhQ— 中村佳穂 (@KIKI_526) January 21, 2019
関ジャムで蔦谷さんに取り上げられたことに、最初は「びっくりした」とツイートした中村さん。
その後、順調にファンも増え「竜とそばかすの姫」への抜擢へも繋がっていくようです。
次に、この大抜擢に関するエピソードを見ていきましょう。
中村佳穂のwiki的経歴|竜とそばかすの姫声優に大抜擢で話題に!

(左から)細田守監督、中村佳穂さん、常田大樹さん
今回また改めて、中村さんの知名度が上がることとなった「竜とそばかすの姫」への大抜擢。
中村佳穂が、2021年7月16日公開の細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』の主人公・すず/ベル役として出演、そして物語の軸となる歌を担当することが発表されました。
【引用】中村佳穂オフィシャルサイト 221/06/03より
そこには一体、どのような経緯があったのでしょうか。
細田監督からの直接オファー
そもそものきっかけは細田監督が中村さんのライブを見たことが始まりなのだそう。
細田監督といえば、アニメ映画の世界で知らない人はいないほどのメジャー的存在。
その細田監督が直々に、中村さんの美声に惚れ込んで「オーディションを受けて欲しい」と頼んだのだとか。
オーディションの結果、中村さんはもちろん合格。
そして今回の大抜擢へと繋がったようです。
もともと細田監督は、中村の楽曲「そのいのち」に心打たれ、数年前にライブ会場に足を運ぶなど親交があったが、今回の起用はまったく予想していなかったと言い、「演技もできる人だったとは……こんなことになるとは思わなかった」と中村の表現力にほれ込んでいる。
【引用】シネマトゥデイ 2021/06/02より
中村さんは歌唱力だけではなく、表現力もかなり豊かなよう。
下の動画は「竜とそばかすの姫」の予告編です。
この美しい歌声に演技も上手…となれば、主人公役や主題歌に選ばれたのも納得ですよね。
中村佳穂wiki的経歴|天才と呼ばれる理由やエピソードは?
中村さんが、美声に表現力、さらには演技力にも恵まれた才能豊かな方であるのは周知のとおり。
ですが、音楽業界で「天才」とまで呼ばれる、その大きな理由や魅力はどこにあるのでしょうか。
ここでは、中村さんが天才と呼ばれるようになった数々のエピソードを紹介していきます。
吹奏楽部では複数の楽器を担当
幼い頃から、「音楽か美術のどちらかの道へ進むと自分でも思っていた」という中村さん。
通知表はこの2教科だけがずば抜けていたのだそうです。
高校生時代には、中学生の頃から続けていた美術部と吹奏楽部に所属。
吹奏楽部ではサックス、フルート、指揮も担当していたとのこと。
ピアノの弾き語りが印象に強い中村さんですが、幅広い種類の楽器を扱うことができるようです。
美大を蹴って音楽の道へ
美術と音楽、どちらの成績も突出していた中村さん。
本格的な音楽活動は20歳の頃だそうですが、そこへたどり着くまでは迷いもあったようです。
「(前略)音楽の道に進むか美術の道に進むか迷ってたんですが、美大を受験して合否の結果が出はじめた頃に、やっぱり歌を歌いたくなっちゃって。それで1年浪人して大学に入り直したあと、ライヴハウスのオープンマイクで音楽活動を始めました」
【引用】MiKiKi 2018/11/07より
以前、日本テレビの情報番組「スッキリ」でインタビューを受けた際にも、そうコメントをしていました。
下の動画が、その時のもの。
芸術分野に突出した才能にあふれた中村さんですが、トークしている姿はユーモアも交え明るく大らか。
前述のとおり、とても気さくなお人柄でもあるようです。
知れば知るほど中村さんのファンになってしまう、そんな人気の理由の一つには、このお人柄も関係しているのではないでしょうか。
米津玄師が「さいこー。」とツイート
あの米津玄師さんも、中村さんのファンであることを公言。
さいこー。
中村佳穂 “きっとね!” (Official Music Video) https://t.co/HzESeSwL0N
— 米津玄師 ハチ (@hachi_08) January 9, 2019
中村さんをイチ推ししている蔦谷 好位置さんやmanabuaさんも、米津さんの楽曲を手掛けています。
中村さんと米津さんには、共通した才能やセンスがあるのかもしれません。
米津さんのツイートを受け、中村さんも次のようにリツイート。
初めまして。紅白見てて素晴らしいな、と思ってたスクリーン越しの人が私の名前を知ってくれてるなんて不思議な気分です。
MV褒めてもらえて嬉しいです、ありがとうございます!お会い出来るように精進します!🍋— 中村佳穂 (@KIKI_526) January 9, 2019
SNSでアーテイスト同士が繋がっていく様子を感じることができる、とても素敵なエピソードですよね。
中村佳穂のwiki的経歴|人気&おすすめ曲は?
中村さんの美声と抜群のセンスを持ってすれば人気曲が多いのも納得です。
ここでは、その中でも特に人気の高いおすすめの曲をご自身のレーベル「AINOU」と同タイトルのアルバムから3曲を紹介。
様々な業界で活躍中の方々が寄せたコメントも一部抜粋して掲載しました。
アルバム「AINOU」から ※()内はコメントを寄せた有名人
- そのいのち (監督・細田守さん、)
- きっとね! (音楽プロデューサー・蔦谷好位置さん、アーテイスト・米津玄師さん、俳人・佐藤文香さん)
- アイアム主人公 (荒木正比呂さん(キーボード)、深谷雄一さん(ドラムス))
まずは細田監督が感銘を受けたという「そのいのち」から。
2人の出会いは、2019年7月のこと。「中村佳穂というすごい人がいる」という話を聞いた細田監督が、京都をベースに活動していた中村のある1曲に感銘を受け、ちょうどその頃奈良で行われた靴屋「NAOT NARA」の4周年記念ライブに駆けつけることとなった。「中村さんの『そのいのち』 という曲を聴いて『わあ、すごい!』と。(後略)
【引用】シネマトゥデイ 2021/06/05より
耳に心地よいサウンド作りを心掛けているという中村さんですが、歌詞もかなりの高評価を得ています。
中村流のジャパニーズ・トラッドともいうべき“そのいのち”には方言とも古語ともつかぬ不思議な言語感覚が宿っていたりと、独特のフロウをこなす
【引用】MiKiKi 2018/11/07より一部抜粋
次に紹介する「きっとね!」も「そのいのち」と同じく歌詞も最大の魅力の一つとして、おすすめ楽曲に上がっています。
この楽曲に、俳人であり中村さんの盟友でもあるという佐藤文香さんはこのようにコメントしています。
きっとね!秘密は多い方が/どうだろう!優しくなれるかも
“きっとね!”〈いつか好きな人ができたなら〉という歌詞のあとに、このサビ。キャッチーに見えて複雑である。(中略)この曲は、そんな自分を悪者にしてしまうあなた(または自分)への愛なのではないか。
米津玄師さんも「さいこー。」とツイートした、「きっとね!」。
本当に奥の深さを感じさせてくれる曲です。
そして次に紹介する「アイアム主人公」はアルバム制作に際し、メンバーから「どうしても入れたい」とお願いされた曲。
中村さんの言葉によれば、この楽曲は「おもしろい譜割りの歌を作ってみたかった」ことで生まれたのだそう。
歌にメロディ、さらに語りとラップの間ともいえそうな流れる歌詞が音楽業界でも高く評価されている一曲です。
つんのめるようにリズムに各パートが複雑に絡み合うパズルのような曲をバンドは豪快に演奏し、歌、ラップ、スキャットを混ぜわせた中村のボーカルもアクロバティック。
【引用】Real Sound 2021/06/10より
またジャズ評論家の柳樂光隆さんは中村さんの魅力について、以下の様にコメント。
実際にライヴを観て、(ジャズ評論家である)僕に勧める人が何人もいる理由はすぐにわかった。(中略)
今回『AINOU』を聴いて、僕はそのときの感覚を思いだした。フィジカルで不確実な要素みたいものは全くなくて、むしろ即興性みたいなものを削ぎ落して、徹底的に作り込んだ〈トラック〉が並び、丁寧に歌ったヴォーカルが聴こえてくる。(中略)ここ5年くらいの音楽シーンのトピックがひたすら詰まっているし、その情報量はめちゃくちゃ多くて、ときに眩暈がするほど煌びやかだ。
【引用】MiKiKi https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/19940より
個性豊かでありながら聴く人の心に沁みる名曲ばかりのアルバム「AINOU」は、2018年11月にリリースされたセカンド・アルバム。
ファーストアルバム「リピー塔がたつ」はこの2年前の2016年にリリースされ、こちらも名盤として人気です。
これまで音源を手売りでしか販売していなかったにも関わらず、岸田繁(くるり)が賛辞を送り、NHK Eテレの番組「シャキーン!」に楽曲が起用され、2016年のフジロックにも出演済みと、既に鳴り物入りである。(中略)
ゲストとして高野寛、BOSE(スチャダラパー)、スティーヴエトウら、彼女の才能に惚れ込んだ錚々たる面々が参加。
【引用】TOWER RECORDS ONLINEより
これからますますの活躍が期待される、女性ミュージシャン・中村佳穂さん。
次はどんな楽曲を届けてくれるのか、本当に楽しみです!